タイトルMemory;55☆「時代の終焉」
【登場人物】20名+侍女達
クラウス・G・S・イングヴァルト ヴィルフレッド・エレミア オリヴィエ・ゼーゲブレヒト 魔女クロゼルグ
アインハルト・ストラトス ジークリンデ・エレミア 高町ヴィヴィオ
コロナ・ティミル ヴィクトーリア・ダールグリュン
リオ・ウェズリー ミカヤ・シェベル ミウラ・リナルディ
ハリー・トライベッカ リンダ ルカ ミア エルス・タスミン
ノーヴェ・ナカジマ オットー ディード
ゆりかごの聖王となったオリヴィエと古代ベルカの戦乱の中で命を落としたクラウス、二人と離れ離れにされたエレミヤ達の過去が描かれている。
<扉絵考察>
オリヴィエとヴィヴィオの表情が対照的である。笑顔のオリヴィエに対し、ヴィヴィオの表情は曇っている。
オリヴィエの生涯を知ったヴィヴィオの気持ちを表しているのだ。オリヴィエの笑顔の意味だが、人々の幸せを願って自分の使命を全うしようとする事に対しての決意に見える。
<魔力圧7580万>
「ゆりかごの聖王」適合率検査の際に計測されたオリヴィエの魔力値だが、この数値がどれだけ凄いのかが分かり辛い。
『魔法少女リリカルなのは』での、なのはとフェイトの魔力発揮値と比較してみると
1期第8話時点 なのはの平均魔力発揮値127万(最大発揮値は3倍以上)
1期第8話時点 フェイトの平均魔力発揮値143万(最大発揮値は3倍以上)
ごくごく普通(?)の9歳の女の子で魔導師の素質がある場合でも、魔力値は500万を切る位である。
本気の一撃を放つなのはが約60人位いたら……さぞかし恐ろしい事になるだろうから、尋常ではない魔力数値であると云える。
<クラウス対オリヴィエの真実>
Memory;7……アインハルトが見た夢で覇王の記憶が蘇る。クラウスは、ゆりかごに乗る決意をしたオリヴィエを力ずくで止めさそうとするも力及ばす。オリヴィエは“笑顔で”クラウスに別れを告げる。
Memory;42……ジークリンデと対戦中にエレミヤの記憶を思い出したアインハルトは、オリヴィエを止める為に本気で戦いを挑んだ時のことを思い出す。オリヴィエをゆりかごの王にさせまいと説得するも力及ばずオリヴィエは“笑顔のまま”去っていった。
Memory;43……ジークリンデと対戦中にダウンしたアインハルトは、クラウスがオリヴィエに全力を出させずに敗北した時を思い出す。“微笑みを曇らせることさえできないまま”優しく倒されたのであった。
オリヴィエが笑顔のままクラウスと別れた理由は、クラウスに悲しい想いをして欲しくなかったからではないだろうか。自分は嫌々ゆりかごの生贄になるのではなく、笑って逝く覚悟であることを示したかった。
けれど、オリヴィエはクラウスの前では本心を隠していた。去り行くオリヴィエが本当は涙を流していたからだ。オリヴィエは自分の命を多くの人々が救われる為に使う決心をした。一人の女性として大切な人と生涯を共にすることは、自分の生き方ではないと判断したのだ。
クラウスはオリヴィエの真意に気づけなかったのは、自分の想いを届けることに必死だったからに他ならない。オリヴィエの気持ちを理解しようとするにはまだ若かったのだ。大切な人を失いたくないという思いが余程強かったのだろう。オリヴィエを止められなかったのは、自分が弱かったせいであると深く後悔することとなったのである。
オリヴィエはクラウスを兄妹のようにみていた部分がおおく、恋人としてはみていなかったのではないだろうか。クラウスがオリヴィエを花嫁候補としてちゃんと考えていなかったことも原因かと思われる。
その後、クラウスは一心不乱に強さに磨きをかけたに違いない。そこには、オリヴィエへのやるせない気持ちと弱い自分を許せない想いがあった筈である。もう一人の理解者であるエレミヤがいない中、クラウスの想いを受け止める者は誰もいなかったのだろう。戦い勝ち続ける事でしか、クラウスは自分の存在意義を見出せなかったものと思われる。
<そして現代へ……>
エレミヤの手記を読み終えたことで、クラウス・オリヴィエ・エレミヤの過去話は完結した。
皆が、オリヴィエの生き様を悲しむ中、ヴィヴィオは気丈にしていたのだが、その想いは……今話の中表紙に繋がっている。

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