あの夏で待ってる 第９話感想～好きだって言えばいいっ！ …柑菜、泣いていいからっ!!～

第９話「せんぱい」

もうヒロイン柑菜でいいじゃない！

海人を動かした檸檬、逃げようとしていたイチカに答えを示した柑菜……２人の名脇役がいてこそ想いが通じ合った海人とイチカの恋物語。

なんで柑菜ではなくイチカなのか？　
これまで海人が異性に恋心を抱いたことはなかったのでしょうね。柑菜に感じずにイチカに感じたのは、母性愛に似た包み込むような優しさではないだろうか。両親を亡くした海人は、母のような人を理想の女性像としていたはずである。姉の七海は海人の母親代わりを務めようと寵愛しすぎてしまったのだが…海人にとって姉は、甘えられない存在であったように思う。“年上で優しいお姉さん”的なイチカに惹かれていったものと思われる。

好きな想いは柑菜の方が強い
海人を好きになった時間は、柑菜の方が長かった。海人と共有した時間も、ずっと見続けてきた海人への想いもイチカには負けていなかった。それだけに、イチカのことを好きになっていく海人を見るのは辛かったでしょう。それでも、柑菜はイチカも海人も嫌いにはなれなかった。
海人にとって幸せなことを優先したのだ。海人がイチカの為に一生懸命であることを知っており、イチカが居なくなった後、自分がイチカの代わりになれないことが分かっている。だから、けじめをつけつ為に、イチカと直接話す覚悟を決めたのである。イチカが海人から逃げて、海人を悲しませないようにすることが、柑菜が海人の為にできることであったのだ。
柑菜がいい子すぎるだけに、報われない恋・失恋の痛みと向きあわす展開は辛い。
キャラクターの心情が理解できる丁寧なストーリーだからこそ、視聴者自身もキャラクターの気持ちになって観ることができるのだ。

柑菜とイチカの本音トークシーンは、本作の名シーンとなることであろう。

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