夏の暑いなか、ゾクゾクさせるホラー作品でした。
主人公と幼馴染、そして親友の3人を主役とした第1話。学園ラブストーリーの要素を含んだ人間関係がみえたところで、あとは惨劇回となるストーリー展開でした。
ゾンビ化(?)していく生徒達から逃げ延びていく展開がはやすぎる気がしますが、ゾンビ退治屋や特殊能力を持った組織といったヒーロー達は存在しません。突然現れた<奴ら>の存在が謎に包まれており、なんの情報もないまま逃げるしか選択がないのです。
アバンで非日常化した世界を描いてから、そこに至る迄の過程を描いていた為、何かが起こりうるであろうことは予測できましたが、第1の<奴>はどこから現れたのか? <奴>を生み出した元凶が何なのか? ウィルス兵器の実験事故が原因で感染者が現れた……という予測もできますが、そんな事件の大元とは次元の違った一地域での物語でした。
パニックに陥った時の自己中心思考。生き残る為に親友を犠牲することも厭わない様を醜く描いていたのはよい演出でしたね。自分が生きる為に見捨ててしまうことを責めることはできませんが、パニック時に果してどれだけの一般人が冷静でいたられるのか? 2人で力を合わせることができなかったことで、ただの一般生徒AとBに成り下がってしまいました……。見捨てた親友も結局は助からずだっんですが、同情の余地なしと見捨ててしまうのは可哀想でした。平和な世界であれば、きっと良い親友同士の付き合いができていたであろうに……。
死んでいるから人間ではない。だから殺していいとすぐに割り切れた者だけが生き延びているような気がします。
そんな中、死亡フラグの立っていた井豪 永が早々と退場となったわけですが、彼のように自分の死を悟った時にとった行動は、友に自分を殺してもらうことでした。
<主人公誕生!>
孝が親友の永を殺した時、彼はこの物語の主人公になったのです。
『喰霊-零-』にて、神楽が黄泉と対決し殺めたことで、全てを倒す覚悟ができたと同じ心境の変化が孝にも芽生えたのです。親友を殺めた孝は、想いを寄せている麗をどんなことをしても守ることでしょう。そして、彼の決意の強さがこの世界で生き抜いていく力となると信じています。
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