けいおん!! 第１４話批評・解説

【タイトル】「夏期講習！」
作　　　画 ：１０（これぞ京アニとも云うべき澪の涙目）
ストーリー ：１０（充実した律＆紬回）
演　　　出 ：１０（原作オチに繋げる展開がお見事）
軽　音　楽：１０（新ＯＰ＆ＥＤきたー!!）
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紬と律のおでかけ回である原作を基に唯と和・梓と憂らも絡ませたストーリー構成に仕上げている。脚本は花田十輝氏であったが、オリジナル色の強さは押さえ気味であった。タイトルの「夏期講習」がストーリー的におまけ扱い
であった為、展開が読みづらく結果として原作ファンにも受け入れ易かったのではないだろうか。
今話で現在発行されている原作「けいおん！」３巻までの内容はほぼアニメ化されたことになる。

唯と梓　律と澪のコンビが定着した中で、紬だけが別格となっており立ち位置が孤立化している不安を打ち消すように、各キャラとの距離感がなくなった紬が今話の主役であった。
“世間知らずのお嬢様”というキャラ設定が活かされているだけでなく、もっとスキンシップし合えるような仲間になりたいという紬の孤独感が解消された話でもある。それでも、唯の天然パワーや澪の魅力も十分描いており、２年生組が主役であった前話とのバランスもとれて満足のいく一話であった。

【サプライズ!!】
予告や前情報のなかった新ＯＰ。「GO! GO! MANIAC」に慣れ親しんでいる視聴者にとって、テンポの速い曲は馴染み易い。さらに見応えあるＯＰアニメーション。曲に負けない動きのあるアニメーションで、本編では使いまわしされないであろう１シーンの数々で釘付けに。けいおんライブでこの曲を披露した時の観客の動きを見ているような一体感を感じてしばし酔いしれる……。
当然、新ＯＰが流れたということは、新ＥＤも……と期待を裏切らない。メルヘンチックな澪の印象ではなく精一杯青春している少女達といった印象であった。色彩の違いもＯＰが明でＥＤが暗と対照的であり、ＯＰとＥＤを含んだ一話として観ることができる。

【苺ケーキの苺は……】
私は、苺が乗っかっているスポンジ以外のところから食べて、最後の一口で苺とスポンジを食べる派です（笑）。
和に苺を食べられたことに抗議する唯。その相談役が梓であるのだが、修学旅行で迷子になった時に無意識に相談しようとしたのも梓であった。唯は梓のことを可愛いだけでなく、相談事にのってくれる頼りがいのある人であると認識しているのだ。和の行為でどれだけ傷付いたのか……その伏線を後半Ｂパートに紬シナリオと合わさせて澪にもたらす絡みは上手い。唯は和に自身の価値観が間違っているということを分かって欲しかったのだ。

【唯と和の関係】
一緒に勉強している２人であが、まず唯が就職ではなく、進学へと進路を決めております。
さわ子先生より就職は今からでは難しいと……今の時代背景が影響されているのでしょうね。専門学校なのか短大なのか、４年制大学なのか、どこへ進学したいかの選択までは決まってなさそうですね。
勉強中に居眠りの唯を起こさず自分１人で勉強を続ける和。起こしてくれないことに不満をを口にする唯であるが、唯視点から見ると和は冷たい人であり唯のことを見放しているのだが、和は体が冷えないようにと唯の健康を気遣っていた。勉強に対して無理強いをさせないように、唯が眠くなったのならそうさせてあげるのが唯の為であるとの思いやりであったのだ。唯は和に対する甘えから、寝てしまった自分の非より、起こしてくれない和に非を求めたのである。主観の違いであるが、その考え方の違いが二人のないところでもあり、交友関係が続いているものと思われる。唯自身は和の思いやりに気づかないことも多いのでしょうね。期末試験の際中に居眠りしようとした唯を起こそうとした和の思いやり。和は唯の為にしたとは絶対に言わないでしょう。和はいじわるっ子ではなくて良い人んですよ（笑）。

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