劇場版魔法少女リリカルなのはレポートその2

今回は「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」についての考察です。
(現在まだ鑑賞二回ですので見当違いもあるかもしれませんが……)
ストーリーとキャラクター考察についてはレポートその3で(もう一回観た時にじっくりと検証しますので)。
【映画化作品としての意義】
「魔法少女リリカルなのは」一期のTVシリーズのみらず、「サウンドステージ02」・小説「魔法少女リリカルなのは」を再構築したストーリーであり、設定の変化・変更はあるものの、TVシリーズでは描かれなかったエピソードを一部映像化し、劇場アニメ作品として生まれ変ったのであった。
「設備環境効果」
大型スクリーンと良質の音響設備で魅せる作品に仕上げる上で、なのはvsフェイトの熱血魔法バトルシーンには特に力をいれている。2人の戦いは魔力と魔力のぶつかり合いであったり、高速移動による空戦であったりするのだが、迫力とスピード感を視覚と聴覚だけでなく、体全体で感じさせるのは劇場ならではである。全体的にバトルアクションに時間をさいたのも劇場作品としてより効果を出すための演出ではないだろうか。劇場で実際に体感して欲しい。

「集団心理」
公開初日の全国映画館の満席御礼ぶりが証明したように、混雑することは分かっていても観に行きたいとするファンの心理を製作者側はどう分析したかである。コミックマーケットでのなのは前売り券の販売状況が如何なものであったかを踏まえると、地域差はあるものの来場数の予測がたてられたのではないだろうか。最終的に全国19劇場で決定されたわけだが、来場者特典を企画したことから、複数回の鑑賞は許容範囲であるとの認識を深めたことであろう。ファンの心理を逆手により営利を出したいとするのは聞こえが悪いが、劇場に足を運ぶ動機付けとしての企画でもあり、ファンサービスの一環として素直に喜ぶことにしよう。
劇場に観に行かなくても、DVDorBDで観るだけでよいとする考え方もあるだろう。劇場に足を運んできた方々は、なのはシリーズのファンであることに誇りをもった人々であると信じたい。

自宅で一人で視聴した場合と数人集って視聴した場合とでは興奮度がかわってくるものである。館内にいる人たちは知らない人達だけど、みんな自分と同じファンであることで生まれる昂揚と安心感がより作品を楽しませるのである。周りの事など気にすることなく、スクリーンに釘付けになることも楽しみ方の一つではあるのだが……私個人も初見ではそうでしたが、鑑賞二回目ともなると周りの客層の様子や作品チェックにもゆとりがもてるようになるものですね。
また、チケットを購入できても観るまでの待ち時間が長かった方々も大勢いたことでしょう。それでも観ることができた達成感を味わうのも劇場ならではの醍醐味としてプラス思考にしては如何でしょうか。
今回劇場内での待ち時間に最適だと思われるのが『PSP』。魔法対戦格闘アクションゲーム「魔法少女リリカルなのはA'sPORTABLE」の発売を劇場公開前にしたのは当りでしたね。ゲームに熱中しておられる方を多数みかけました。周りが同じゲームをしていることで、映画とは別の楽しみがファン同士で生まれたことであろう。

【キャラクター視点】
序盤は高町なのはの視点で描かれるストーリーであるのだが、フェイト・テスタロッサの登場により、なのは視点とフェイト視点とのザッピング形式でストーリーが同時進行していく。フェイトをライバルという存在だけにおさめず、なのはと同じ物語の主人公としたことで、フェイトサイドのストーリーが丁寧に描かれている。母であるプレシアの憎悪と後悔、ようやく悟った愛情の心情変化はぜひ見逃さずに観て欲しいところである。

【主題歌のメッセージ】
TVシリーズの流れを構成としているのであれば、オープニングに主題歌がはいるのであろうが、劇場作品ではキャスト・スタッフロールと共に物語終結後に主題歌を流すのが主流である。本作品では、なのは役の田村ゆかりさんが歌うエンディングテーマを物語のエピローグと共に流し、TVシリーズの最終話と同じ演出効果を生じさせている。1フレーズのみであったのだが、その後に続くのがフェイト役である水樹奈々さんが歌うフルバージョンの主題歌。なのはからフェイトへとバトンタッチされてのメッセージともとれる。“ずっと傍にいるから……”で締めくくったのは、この想いが物語のテーマでもあったからなのではないだろうか。キャラクターそれぞれの想いが込められたメッセージでもある。なのはとフェイトの物語はこれから始まっていくのである。
“きっとまたすぐに会えるもんね”なのはのこの言葉が実現することをを望まずにはいられない。

完結となる劇場版魔法少女リリカルなのはレポートその3はこちら
https://hiziriramu.seesaa.net/article/201002article_2.html

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