作 画 :6(プライドを賭けたヘレーナからの挑戦は見物)
ストーリー :6(ロレンスが得る利益は旅の終わりを意味する)
演 出 :6(背後にあるのは教会の利権と商人同士の競争)
ホロ度 :5(ロレンスとはもう初心に戻れないホロの寂しさが漂う)
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【批評・感想】
ロレンスが巻き込まれようとしているのは……商戦。
権力のトップにいるのが教会というのは、この世界の掟である。唯一の神だけが存在するわけではないのだから、宗教戦争が起こっていても可笑しくないのだが、ホロをはじめとする神は人間界の権力争いには興味がないらしい。
毛皮の買い付けを現金のみとすることは、当初から計画されていたのであろう。
ロレンスとホロが町に入る際に入念に調べられたのは、現金をどれだけ所持しているかということと、金目の物の確認でもある。そして“外地商人証明札”でしか取引を認めないことにすれば、商人の金の動きが把握でき、買占めを阻止することができるのである。
ロレンスはこの取引にホロを巻き込みたくないと思っていた。だが、ホロはロレンスの相棒として頼られることを望んでいる。それは互いの絆があってのことである。
情報収集をするロレンスであるが、基本的にホロはこういった下調べはしない。ロレンスの商人としての交渉術が活かされる場でもあるのだが、その分ホロの出番が少なくなるのは致し方ない事である。
そして、まだ見ぬロレンスの手綱を握っている女の匂いを嗅ぎ取り、狼に目をつけられた美味しい羊のロレンスが特別に見えることを明かした酒場の娘ヘレーナは流石である。
ホロの縄張りに手を出したヘレーナとの対決はさぞかし見物である。
きっと美味しそうなロレンスを肴に上等のお酒を飲み比べするのであろう(笑)。
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