その考察・批評・解説です。
タイトル:Memory;02☆「昔はいろいろありました」
【登場人物】
高町ヴィヴィオ
高町なのは
フェイト・T・ハラオウン
エリオ・モンディアル
キャロ・ル・ルシエ
ゲンヤ・ナカジマ
ギンガ・ナカジマ
チンク・ナカジマ
ディエチ・ナカジマ
ノーヴェ・ナカジマ
ウェンディ・ナカジマ
セイン
イクス
本作品を『魔法少女リリカルなのは』シリーズの時系列でみると『魔法少女リリカルなのはStrikerS』⇒(3年後)『StrikerSサウンドステージⅩ』⇒(1年後)『魔法少女リリカルなのはViVid』の順になる。本作第2話においては『StrikerSサウンドステージⅩ』を聴いておくとより感慨深い内容であることが分かる。『StrikerSサウンドステージⅩ』を聴けない方は、当同人誌サークル「サイネリア」で発行した「StrikerSサウンドステージⅩ解説本」をご覧あれ(笑)。
冒頭の回想シーンはフェイトによるなのはとヴィヴィオの出会いから今日に至る日々であった。心配性であるフェイトにとってヴィヴィオはまだまだ小さな子供である。危険が及びそうな行為は絶対させないであろう。だから大人の仲間入りをしようとするヴィヴィオに戸惑いを感じたのである。エリオとキャロに対してもそうであるように、フェイトは母として守る立場で我が子からまだまだ甘えてもらいたい気持ちがあるのだ。
ヴィヴィオの魔法や武術の練習は、知識の学習だけではなく実践的に身に付けようとしているものであった。すでにデバイスなしの時から変身制御の魔法で大人モードになる練習をしていたことからも、Stヒルデ魔法学院では学ばない事を取り入れていることが分かる。
言うまでもなくヴィヴィオの師はなのはであった。身体強化系の魔法を基本とし、放出制御を試みていることから、近接格闘に純粋魔力の放出を合わせた戦闘スタイルで、打撃に魔力を乗せたベルカ式であることが予想される。これは「ゆりかご」内でなのはと戦った時の戦闘法であもある。聖王たるヴィヴィオの固有技能「聖王の鎧」を活かした魔法を本能的に習得しようとしているのかもしれない。普通の女の子として育っていく筈だったのだが、なのはママの影響であろうか、エース級の才能を開花させようとしている(笑)。なのはにとっても魔法の練習は“普通の小学生”がしてきたことである為、フェイトには内緒で今まで容認してきたのであろう。自分の魔法をどう使うかは自分で決めさせてきたなのはである。かつて、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』第15話にて、転んだヴィヴィオに対するなのはとフェイトの違いが、今日のヴィヴィオのようにたくましく育つ結果となったのであった(笑)。
なのはが<全力全開(壊にあらず)>でフェイトが<疾風迅雷>であるならば、ヴィヴィオは……。
身体は大人になっても心は子供のヴィヴィオであるが、10才にしてなのはとフェイトを納得させるだけの考え方をしている。過去を振り返るにはまだまだ早過ぎる年齢であるが、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』時の甘えん坊のヴィヴィオはすでに卒業しており、自身の出生と立ち向かうことを決意している。その為の魔法練習でもあるのだろう。成長した娘を誇らしく思うなのはの表情がそのことを語っているのであった。
それにしてもヴィヴィオのデバイス「クリス」のなんと愛らしいことか。ヴィヴィオの感情に合わせて表情を変えたり、同じポーズの真似をしたりとお茶目さんである。
ナカジマ家での夕食は「すきやき」。これは地球人の血が流れるゲンヤが、家族団欒の食事として取り入れたものであろう。チンクだけがお箸を使わず(えず?)フォークで食事をしているのはご愛嬌。子供っぽさが表れている所でもある。今でもシャンプーハットをしているのだろうかとコミック版『魔法少女リリカルなのはStrikerS』のチンクの面影が重なる。それでも自称が“姉”である所にギャップ萌えを感じるのであった。
そして、ラストに登場したのは……イクス!!
『StrikerSサウンドステージⅩ』でのヒロインである。大切な友達は今も眠りつづけているが、
彼女の登場はなのはシリーズの流れを継承していることに他ならない。否応なしにイクスの目覚めを期待してしまうのだが、皆から優しくされているイクスの寝顔が穏やかことにまずは満足しよう。
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